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FP2への道〈 part.2 〉社会保険

ファイナンシャルプランナーの試験に向けて勉強を始めています。
中でも苦戦しているのが〈保険〉です。今回は、その〈保険〉についてまとめていきたいと思います。
保険制度には、社会保険民間保険がありその両方を学んでいく必要があります。
それなのにも関わらず…社会保険だけでも、ものすごくヘビーです。
まとめようにも、細かい情報も付随してくるのでそれらもまとめてFPの試験では答えなくてはなりません。ですので、ポイントになりそうな部分を太字色文字で表記しています。

学んでいくと、健康保険の手厚い内容に現在、国民健康保険の私は驚くばかりです。
そして、退職してからも20日以内に申請すれば任意で2年間継続できたことなども、知らなくて後悔することだらけ…。
妊娠することが事前に分かっていたら…全額自己負担になるにしても、出産手当金などもらえることを含めれば継続したほうが良かったかなぁ…などと思いました。

社会保険制度

社会保険制度は、私たちが遭遇しうるリスクに備えて、あらかじめ保険料を払い、実際のリスクにあった人に必要な給付を行う仕組みで強制加入を原則としています。
社会保険制度には5つの制度があり

① 公的医療保険
② 公的介護保険
③ 公的年金
④ 労災保険
⑤ 雇用保険

これらを下図のように概要をまとめてみても、とても複雑です。
さらに、それぞれに細かい条件や保険料などの詳細も異なるので、①〜⑤までのそれぞれの保険を一つづつ整理していきたいと思います。
















保険



労働保険


保険


保険






















 


















 



 




































75







40


























偶者

全ての労働者





働者

①公的医療保険

公的医療保険と言われているものにも大きく3つあります。
1.健康保険
2.国民健康保険
3.後期高齢者医療制度


























主に中小企業

会社員と
その被扶養者

















標準報酬月額を50等級に分けた数値に保険料率をかけて計算した額を原則
被保険者と事業主が折半だが
都道府県や各組合により異なる

〈産前産後休業期間中〉〈3歳未満の子を養育するための育児休業期間中〉は被保険者と事業主双方の保険料が免除





組合健保の
ある企業
(主に大企業

会社員などと
その被扶養者



























各市町村により異なる
住民登録上の世帯主が納付義務者







同種の事業
また
業務に
従事する人

その家族
組合ごとに異なる


















75















各広域連合により異なる
年金額18万円以上の人は公的年金から特別徴収される

健康保険給付内容

⑴傷病に関する給付
①療養給付(家族療養費)
病気やケガをした際に、保険証を提示して受けられる給付。
原則3割の自己負担。小学校入学前は2割、70〜74歳は原則2割(現役並み所得者は3割)。
※妊娠・出産は、原則として療養給付の対象外

②療養費(家族療養費)
保険医療機関以外の病院・海外・保険証を提示できずに療養を受けた時に本人が立て替え払いをして、あとから払い戻しを受けられる現金給付。

③保険外併用療養費(家族療養費)
保険が適用されない保険外診療があると、保険が適用される診療も含めて全額自己負担になる。
ただし、高度先進医療(評価療養)を受けた場合・特別の病室の提供(選定療養)を受けた場合・高度の医療技術を用いた療養(患者申し出療養)を受けた場合は、保険診療との併用が認められて、保険診療分の費用が保険外併用療養費として給付される。ただし、保険外診療部分は変わらず、自己負担

④高額療養費
同一人物が同一月に1つの病院などから受けた医療費の自己負担が、自己負担限度額を超えた場合に、超えた額があとから高額医療費として支給される。
また、同一世帯で、21,000円/月以上の自己負担額が複数ある場合は世帯合算。
〜70歳未満の自己負担限度額は、所得に応じて変動
70歳〜74歳は世帯単位で外来と入院を合算し、所得などで変動

⑤高額介護合算医療費
介護保険からの給付を受けている人がいる場合の制度
(公的医療保険)+(公的介護保険の自己負担)
この2つを合算した額が自己負担限度額を超える場合、高額介護合算療養費として支給。
※自己負担限度額は、所得に応じて変動

⑥傷病手当金
業務外の病気・ケガで働けず給料が支給されない場合に傷病手当金が支給される。
労働不能となった日から連続3日を経過した休業4日目から支給。
支給金額=(休業した1日につき直近1年間の標準報酬月額を平均した額の1/30)×(2/3
支給期間は支給開始日から1年6ヶ月を限度とする。
※医師等及び事業主の証明が必要

⑵出産に関する給付
①出産育児一時金(家族出産育児一時金)
被保険者・被扶養者が出産した際、1児ごとに42万円支給。
1年以上被保険者であったものが退職後6ヵ月以内に出産した場合も支給される。
※妊娠4ヵ月以上の出産。早産・死産・流産・人工妊娠中絶も支給対象。

②出産手当金(被扶養者には給付なし)
被保険者が出産のために会社を休み、給料が支給されない場合、出産手当金が支給。
〈給付期間〉
出産日(遅れた場合は出産予定日)以前42日(一度に2人以上の妊娠=多胎妊娠は98日)から出産日後56日
〈給付金額〉
1日につき(直近1年間の標準報酬月額を平均した額の1/30相当額)×(2/3

⑶死亡に関する給付
埋葬料・埋葬費(家族埋葬料)
被保険者が死亡した時には一律5万円の埋葬料が支給。
被扶養者ば死亡した場合も、同様に一律5万円の家族埋葬料が支給。
※被保険者に生計維持関係があった人がいない場合、実際に埋葬した人に対して5万円の範囲内で実際に埋葬にかかった費用を支給

★ちなみに…
健康保険は、退職しても引き続き2年間に限り、従来の健康保険の被保険者になれます。
ただし、保険料は全額自己負担。
①被保険者期間が資格喪失の前日まで継続して2ヶ月以上あること
②資格喪失日から20日以内の申請すること

国民健康保険給付内容

⑴法廷必須給付
●疾病給付〈療養の給付〉〈保険外併用療養費〉〈療養費(海外での療養含む)〉〈高額療養費〉
⑵法廷任意給付
●出産給付
●死亡給付
⑶任意給付(実施している市町村はない)
●傷病手当金
●出産手当金

後期高齢者医療制度の保険給付内容

医療給付を受けた場合、自己負担割合は1割現役並み所得者は3割)。
自己負担限度額を超えた場合は高額医療費として給付。

②公的介護保険

  第1号被保険者 第2号被保険者
対象者 65歳以上の人 40歳〜65歳未満の医療保険加入者
保険給付の対象者 原因とわず要支援者・要介護者 特定疾病により要支援者・要介護者
給付内容 予防給付(要支援1・2
介護給付(要介護1〜5
全7段階
保険料 市町村が徴収 公的医療保険の保険料と一緒に徴収
利用負担 原則1割
一定以上の所得者は2〜3割
1割

公的介護保険のポイント
● 40歳以上の人が保険に加入して保険料を負担
● 給付を受けるには市町村の認定が必要
●要支援・要介護と認定されて公的介護サービスを受けるには居宅サービス計画(ケアプランの作成が必要。ケアプランを作成機関に依頼した場合の作製費は全額が保険給付の対象で自己負担なし。
●第2号被保険者で協会けんぽの加入者の介護保険料は全国一律。協会けんぽの健康保険は都道府県ごとに設定されるので、それぞれの保険料の換算の仕方の違いがある。

③公的年金制度

公的年金の特徴して
国民皆保険…原則20歳〜60歳未満のすべての国民が対象
● 社会保険方式…加入者が保険料を拠出し、それに応じて年金給付を受ける
● 賦課方式(世代間扶養)…高齢者世代の年金給付費を現役世代の保険料負担で賄う

  厚生年金保険  
国民年金(基礎年金)
第1号被保険者
自営業者・学生など
第2号被保険者
会社員・公務員など
第3号被保険者
第2号被保険者の被扶養配偶者

国民年金

⑴第1号被保険者(自営業者・農業者・学生などとそれぞれの配偶者)
日本国内の住所を有する20歳以上60歳未満の人。⑵⑶に該当しない人。
保険料は一律で〈17,000円×保険料改定率〉で計算
産前産後(出産予定日の前月から4ヵ月の国民年金保険料は免除。(納付済期間と見なされる)

⑵第2号被保険者(民間の会社員・公務員など)
●国民年金の第2号被保険者は、同時に厚生年金被保険者でもある
年齢要件はないが、65歳以上で老齢給付などの受給権を有する人は対象外

⑶第3号被保険者(専業主婦・夫など)
●⑵の第2号被保険者の扶養配偶者で、日本国内の住所を有する20歳以上60歳未満の人
●保険料は配偶者の厚生年金保険制度からまとめて拠出されるので直接払う必要はない

厚生年金

厚生年金保険の適用事業所に雇用されている70歳未満の会社員・公務員・私立学校教職員など。
●保険料は標準報酬月額(31等級に区分)標準賞与額に一定の保険料を掛けて算出。
 厚生年金保険の保険料率は18.3%で、事業主と被保険者が折半負担する
産前産後休業期間中・育児休業中は休業の間、本人負担分・事業主負担分の両方が免除

④労災保険

●労働者を1人でも使用する事業主は、原則労働保険の加入が義務付けられている強制加入
●保険料は事業主が全額負担で対象者はすべての労働者
●労働者の業務上または通勤途上の、ケガ・疾病・障害・死亡に対して給付するほか、被災した労働者の社会復帰の促進など、労働者の福祉の増進に寄与することが目的

⑴病気やケガをしたとき
①療養(補償)給付
病気などで入院・治療したとき、必要な治療が治るまで原則無料で受けられる

②休業(補償)給付
病気などで4日以上休み、賃金が支給されない時に、休業4日目から給付基礎日額の60%が支給される。さらに、特別市球菌として給付基礎日額の20%が支給されるので、合計80%支給される。(給付基礎日数は、算定事由発生以前3ヵ月前の賃金総額から日数を割って算出)

③傷病(補償)年金
病気やケガなどが1年6ヵ月を経過しても治らない場合、一定の傷病等級に該当すれば、休業(補償)給付に代わって傷病等級に応じて支給

⑵一定の障害状態に該当したとき
①障害(補償)給付
病気やケガが治った後に障害が残った場合、年金や一時金を支給

②介護(補償)給付
要介護状態になったとき、常時介護・随時介護の区分によって支給

⑶死亡したとき
①遺族(補償)給付
受給資格者(遺族)数に応じた、一定の給付基礎日額分の年金や一時金が支給
受給順位=配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹

⑷二次健康診断等給付
定期健康診断で血圧・血糖・血中脂質検査、肥満度の測定の全ての検査について、異常があると診断された労働者に対し、その請求に基づいて二次健康診断と特定保健指導が給付

⑸労災保険の給付と遺族・障害年金との調整
労災保険の給付が行われる場合、すでに公的な遺族・障害年金の支給を受けているときは、労災保険の給付が減額調整

⑤雇用保険

雇用保険の適用事業の労働者に対して、政府から支払われる
●雇用保険料は事業主と被保険者が負担することになるが、業種によって保険料や被保険者の負担率が変動
●パートタイマーでも〈31日以上の雇用見込み〉〈週所定労働時間が20時間以上〉で被保険者になれる

失業等給付

求職者給付 基本手当
高年齢求職者給付金
就職促進給付 就職促進手当 再就職手当
就業促進定着手当
就業手当
常用就職支度手当
移転費
求職活動支援費
教育訓練給付 教育訓練給付金 一般教育訓練給付金
特定一般教育訓練給付金
教育訓練支援給付金 専門実践教育訓練給付金
雇用継続給付 高年齢雇用継続給付 高年齢雇用継続基本給付金
高年齢再就職給付金
介護休業給付 介護休業給付金
育児休業給付 育児休業給付金

求職者給付

①基本手当
●失業した場合に、支給される手当が基本手当。ハローワークで手続きすれば給付。
●原則、離職の日以前の2年間に、被保険者期間(賃金支払い基礎となる日数が11日以上の月)が通算して12ヵ月以上あること
●倒産・解雇などによる離職の場合は、離職の日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月あること

〈給付の流れ〉

退職離職票をハローワークへ→求職の申し込み→〈7日間は待機期間〉なので支給されず→以降28日毎に失業認定を受けることで基本手当支給
4週間に1回ずつ受給資格者証に記載された失業認定日にハローワークへ出向き認定を受ける必要がある

〈所定給付日数〉

離職理由・離職時の年齢・被保険者期間によって異なる

〈受給期間〉

原則、離職日の翌日から1年間
妊娠・出産・育児・疾病などの理由で引き続き30日以上職業につけない場合は受給資格者の申し出により、最大4年間まで受給期間の延長が可能
※60歳以上の定年などによる離職の場合は、最大2年間まで受給期間の延長が可能

〈基本手当の給付額〉

基本手当日額 賃金日額 × 賃金日額に応じた率(50%〜80%)
※賃金日額は、被保険者の離職日前6ヵ月に支払われた賃金総額(賞与除く)を180で割った金額

②高年齢求職者給付金
65歳以上の被保険者が失業した場合、一時金として高年齢求職者給付金が支給
●離職の日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あることが要件
●給付金額…被保険者期間が1年未満は基本手当日額の30日分1年以上は50日分が支給

雇用継続給付

①高年齢雇用継続給付
●被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の被保険者
●支給対象月に支払われた賃金の額が60歳時点に比べて75%未満となった人に賃金の一定割合が支給
●賃金の額が60歳時点に比べて61%未満の場合、支給対象月に支払われた賃金の15%相当額が支給

高年齢雇用継続基本給付金 = 基本手当を受給せずに雇用を継続した時に支給
高年齢再就職給付金 = 基本手当を受給した後に再就職した時に支給

②介護休業給付
介護休業開始前2年間に被保険者期間(賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月)が通算して12ヵ月以上ある被保険者
●被保険者の配偶者・父母・子・祖父母・孫・兄弟姉妹・配偶者の父母を介護するために休業する場合支給
●介護開始日から1ヵ月ごとに区分した各期間について、休業開始時賃金の67%相当額が支給
●同一の対象家族について通算して93日を限度に支給、3回まで分割取得が可能
※休業中に80%以上の賃金が支払われる場合、給付金は支給されない

育児休業給付

育児休業開始前2年間に被保険者期間(賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月)が通算して12ヵ月以上ある被保険者が、1歳未満の子(一定の場合、1歳2ヵ月、1歳6ヵ月、2歳に満たない子)を養育するために育児休業を取得する場合に支給
●育児休業開始日から1ヵ月ごとに区分した各期間について、休業180日目までは休業開始時賃金の67%相当額、181日目からは休業開始時賃金の50%相当額が支給
※休業中に80%以上の賃金が支払われる場合、給付金は支給されない

産前休業 産後休業 180日間 〜1歳まで
出産手当金
(健康保険)
育児休業給付金
給付率67%
育児休業給付金
給付率50%

社会保険をまとめてみて…

2つの保険制度〈社会保険〉と〈民間保険〉の片方だけでもこんなに盛りだくさん…
FPという資格を取るためには、これらを把握していないとお客さんへしっかりとした充実したライフプランを提案できない、ということも勉強してみてわかりました。
特に、〈産前産後・育児〉は娘を出産する際に、〈失業等給付〉はフリーランスになる際に実際に体験しました。〈老後の年金〉については、今後の自分に関わる事柄なのでしっかりと学んで頭にインプットしたいと思います。
次回は、もう一つの〈民間保険〉についてまとめていきたいと思います。